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心疾患、記憶力低下を招くトランス脂肪酸含有量、ロッテと森永製菓に注意

 2016/08/07 健康・病気 食事
この記事は約 6 分で読めます。 6,248 Views

前回、トランス脂肪酸の含有量について、製パンを取り上げました。

心疾患、記憶力低下を招くトランス脂肪酸含有量ランキング、山崎パン9選
製パン業界では、トランス脂肪酸の含有量開志が進んだ結果、ここ数年でトランス脂肪酸の含有量はかなり減少しています。

ところが、お菓子業界では製パン業界ほどトランス脂肪酸の情報開示は進んでいません。
また、企業によって情報開示の姿勢にも大きな違いがあります。

この記事では、トランス脂肪酸の含有量が多いと推測されるお菓子と企業別にみた情報開示への姿勢についてご紹介します。

お菓子を購入する際にお役立ていただければ幸いです。

国内製品と海外製品でトランス脂肪酸含有量が異なるロッテ

香港で販売されているロッテ「コアラのマーチ(イチゴ味)」は、100g当たり4.8gのトランス脂肪酸が含まれていることがわかりました(mynewsjapan記事)。

koaramarch-ichigo

「コアラのマーチイチゴ味」1箱は内容量41gのため、1.97g含まれています。
※日本製品では、「コアラのマーチイチゴ味」は48gです。

WHOはトランス脂肪酸を1日2g以下の摂取を推奨しているため、一箱で一日の摂取上限値に達してしまいます。

ロッテのお客様相談室にmynewsjapan記者(以下M記者)が問い合わせたところ、当初は回答を拒否されました。

後日M記者が関わっている「食の安全・監視市民委員会」と「日本消費者連盟」が共同でロッテに対して、「コアラのマーチ」に含まれるトランス脂肪酸の量について質問状を送ったところ、

・日本国内で販売される「コアラのマーチ」は狭山工場で製造しており、1箱(48g)あたりのトランス脂肪酸の含有量は、0.1から0.2gであること

香港の「コアラのマーチ」には発がん物質カラメル色素Ⅳが含まれていたが、日本製では発がん性のないカラメル色素Ⅰが使われていること

という回答がありました。

その結果、日本製品と海外製品(タイ産)ではトランス脂肪酸の使用量に20倍近い差があり、海外製品では発がん性カラメル色素を使っていることが明らかになりました。

painomi

chokopai

さらに、M記者が「パイの実」と「チョコパイ」のトランス脂肪酸の使用量について質問したところ、回答を拒否されました

トランス脂肪酸の使用量が低ければ、「コアラのマーチ」同様に「パイの実」と「チョコパイ」の情報を開示しない理由はありません。

子供が好んで食べる「パイの実」と「チョコパイ」は注意が必要かも知れません。

 

トランス脂肪酸の情報開示にみる企業姿勢

森永製菓、明治製菓、江崎グリコ、ロッテの主要チョコ菓子メーカーのホームページでトランス脂肪酸の記載があるか調べてみました。

残念ながら、製パン業界のようにトランス脂肪酸の含有量を開示したデータはなく、トランス脂肪酸についての注釈があったのは、明治製菓のみでした。
トランス脂肪酸について(株式会社明治)
https://www.meiji.co.jp/notice/2015/detail/20150807.html

M記者が、

  • 江崎グリコの「ポッキー」
  • 明治製菓の「きのこの山」「たけのこの里」
  • 森永製菓の「小枝」

などについて、各社にトランス脂肪酸の含有量を聞いたところ、

kinokoyamatakenokopokykoeda明治製菓と江崎グリコは積極的に回答があり、
明治製菓は、トランス脂肪酸の含有率を0.2%から0.3%(100g当たり0.2gから0.3g)未満を目標にしており、すでに全製品達成済み。国内生産品、海外生産品ともに同水準。

江崎グリコは、商品のカロリー1%以内の目標を設定し、すでに達成済み。「ポッキーチョコレート」の場合、1箱35g175kcal。カロリーの1%である1.75kcalを脂肪重量換算すると0.194g
100g当たりで0.554gとなる。国内生産品、海外生産品ともに同水準。

ちなみに、100g当たり0.3g未満であれば、消費者庁が定めている「トランス脂肪酸を0gと表示できる量」に明治製菓は該当するが、江崎グリコは表示する必要があります。

ただ、具体的に数値を公表した明治製菓と江崎グリコに対して、情報提供をかたくなに拒否したのが森永製菓です。

森永製菓は
「トランス脂肪酸に関しましては、食品安全委員会から『トランス脂肪酸による健康影響は小さいと考えられる』という評価結果が出されております。しかし一部留意を促していることから、森永製菓では、低トランス脂肪酸への切り替えを順次行っております。尚、個別商品の具体的な数字の公表につきましては、申し訳ございませんが控えさせていただきます」
との回答。

企業の公開姿勢からすると、明治製菓や江崎グリコの取り組む姿勢は素晴らしいのですが、森永製菓についてはロッテ同様隠している印象が強くあります。

コンビニ100円チョコレート菓子のトランス脂肪酸含有量

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ各社のページでトランス脂肪酸について調べてみると、

セブンイレブンとローソンでは、トランス脂肪酸に関する記載があり、トランス脂肪酸低減製品の開発に力を入れているのがわかります。

一方で、ファミリーマートではトランス脂肪酸に関する記載が一切ありませんでした。
企業によって、大きな差が出ているようです。(2016年8月5日現在)

コンビニにあるオリジナルブランドの100円チョコ菓子について、M記者がコンビニ各社に質問したところ、

  • セブンイレブン 100g当たり0.4g
  • ローソン(製品名:チョコカル)100g当たり0.45g

という回答があり、ファミリーマートからは回答が無かった。

セブンイレブンとローソンは、リスカという会社(うまい棒の製造会社)に製品の製造委託を行っており、リスカがトランス脂肪酸の低減に努力しているといえます。

 

まとめ

トランス脂肪酸について調べてみると、企業ごとに対応の違いが大きいことがわかりました。

明治製菓や江崎グリコは、トランス脂肪酸の低減に積極的であり、具体的な数値も公開して目標を達成していることから、消費者として安心して製品を購入できると感じました。

また、コンビニ企業の間でトランス脂肪酸低減に対する取り組み姿勢が異なることに驚きました。セブンイレブンとローソンが積極的にトランス脂肪酸低減に取り組んでいます。

 

こういった取り組みの違いが、製品開発の違いに関わってくることは間違いありません。
それぞれの各社の対応やトランス脂肪酸のデータを元に、より安全なお菓子を購入してください。

参考資料:「森永「小枝」、ロッテ「パイの実」に要注意…トランス脂肪酸量を隠し続ける怪しいチョコ菓子たち」

ロッテ「コアラのマーチ」は一箱でWHO摂取基準に達するトランス脂肪酸まみれ&着色料のカラメル色素も発がん物質入り

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有限会社木村爽健代表。鍼灸あん摩マッサージ指圧師。
小学生の頃からひどいアレルギー性鼻炎に悩まされ、耳鼻科に通うが全く改善しない。中学2年の時に東洋医学の健康法を実践して、自力でアレルギー性鼻炎を克服。以後、東洋医学や気功といった治療法を継続して学ぶ。
京都大学大学院農学研究科修了。
株式会社アクセンチュアITコンサルタントを経て、現職代表。

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