妊活するなら知っておきたい不妊検査と治療の費用、助成金
妊活をする上で、不妊治療の費用は経済的にとても気になる内容ですよね。
妊活の初期に受ける検査や治療であれば、健康保険を使うこともできる場合があり、比較的費用は抑えることができます。
ところが、高度生殖医療といわれる人工授精や顕微授精などは、ほぼ全てが自費治療となるため健康保険のような3割負担といった金額ではおさまりません。場合によっては、妊娠するまで何回も治療を受ける必要があり、100万円を超えることも珍しくありません。
ただ、場合によっては住んでいる自治体の補助金が使えることもあります。是非、この記事を呼んで必要な知識を身につけ、不妊治療に役立ててください。
Contents
不妊治療の種類と費用
不妊治療は、大きく分けると初期の不妊治療と高度生殖治療があります。初期治療で妊娠できれば一番良いのですが、なかなか妊娠できない場合は、より積極的な高度生殖治療を受けるという流れになります。
初期の不妊治療
初めて不妊治療を行うときに受ける検査や治療になります。
ほとんどの治療に健康保険を使うことができるので、費用もかなり低めとなります。
【保険適用範囲】
- 血液(ホルモン)検査: 1,000~3,000円
月経が始まってから3日目~5日目に行う血液検査。卵の成熟度を示すホルモン(E2エストラジオール)と排卵の引き金になる黄体ホルモンの値を調べて、排卵時期を予想します。
- タイミング法 2,000~20,000円
いくつかの検査によって排卵の正確な時期を予測して性行為をします。
超音波検査は、月1回までは保険適用(1,600円)ですが、2回目は自費(約3,000円)となります。
- 排卵誘発(薬や注射) 500~3,500円
薬や注射の種類と組み合わせによって費用が異なります。
- 腹腔鏡検査(手術) 50,000~200,000円
下腹部に0.5~1cm程度の穴を開けて、腹腔鏡を使いモニターでお腹の中を確認します。検査の最中に病変があれば、手術で治療をすることもできます。簡単な癒着をはがす、卵巣嚢腫や子宮筋腫を摘出したり、子宮内膜症の焼灼(しょうしゃく)ができます。
- チェック
高額医療費の対象ですので、場合によっては還付を受けることができます。詳しくは下記をご覧ください。
全国健康保険協会「高額な医療費を払った時」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150
加入している保険によっては、保険支払い対象ですので確認しましょう。
【自費治療】
- 子宮卵管造影検査:5000円~15000円
公立、私立病院によって値段が変わります。
<検査時期>
生理終了後から排卵までの間。
- 精液検査:5000円
<検査時期>
男性が受ける検査のため、時期は関係ない。
高度生殖医療(人工授精や体外受精:自由診療)
自費治療となるため、医療機関ごとに治療内容が同じであっても費用が異なります。
助成金を受ける場合は、都道府県指定の医療機関(全国の指定医療機関一覧はこちら)で受診する必要がありますので、ご注意ください。
- 人工授精:2万円から
採取して洗浄・濃縮した精液をカテーテルという道具を使用して、女性の子宮内に直接送り込むこと。
<向いている方>
精子に異常がない。排卵・子宮・卵巣・卵管に異常が無い。
- 体外受精:15万円~60万円程度
<内容>
排卵前に体内から取り出した卵子と、採取した精子の受精を体外で行います。正常に受精して細胞分裂が進んだ受精卵を子宮内に移植します。
<向いている方>
卵管性不妊といった、男性の精子の問題や受精障害以外の原因の方や原因不明不妊の人に向いています。
- 顕微授精:19万円~50万円程度
<内容>
体外受精の手順で取り出した卵子に、極細のガラス管に入れた精子一個を、顕微鏡で見ながら直接注入して、人為的に受精させます。その後は、体外受精と同じ手順です。
<向いている方>
乏精子症、精子無力症、精子の奇形などの男性側の原因がある人。受精障害を引き起こすような抗精子抗体がある人。
助成金
体外受精と顕微授精については、お住まいの都道府県が助成金を支給しています(所得制限有り)。厚生労働省の事業ですが、実施しているのは都道府県ですのでお住まいの役所に届け出を行います。
厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業」
給付内容:1年当たり1回15万円で2回まで。通算で5年支給。
所得制限額:730万円(夫婦合算の所得ベース)
※所得とは収入ではなく税金の算出に使用する金額です。実際の収入から経費や社会保険料を差し引いた金額になります。
計算は下記ページをご覧ください。
助成金の申請期限
1回目の不妊治療後、年度末(3月31日)までに市役所に書類を申請します。
必要書類
-
- 特定不妊治療費助成申請書
- 特定不妊治療費助成事業受診等証明書
- 住民票の写し
- 戸籍謄本
- 指定医療機関発行の領収書
プラス
夫婦の所得関係書類(申請者と配偶者)
下記のいずれかの書類が必要です。
- 住民税課税(非課税)証明書
- 住民税決定通知書
- 確定申告書
- 源泉徴収票(確定申告している場合は不可)
まとめ
不妊治療の場合、初期治療と言われる検査や治療には、健康保険が使えるものが多くあります。
残念ながら、人工授精や体外受精、顕微授精といった高度生殖治療に健康保険は適用されません。
しかし、所得750万円という条件を満たせば、助成金を申請して不妊治療の補助を受けることができます。
所得とは収入のことではなく、税金で収入から経費などを差し引いた金額ですので、詳しくはお住まいの都道府県の不妊症の助成金ページをご覧ください。
今回ご紹介した一般的な不妊治療以外に、卵子や精子の老化を防ぐことで妊娠しやすくする方法もあります。
この方法をうまくできれば、そもそも人工授精といった高度な不妊治療を受ける必要が無くなるかも知れません。
無料でできることも多いので、是非参考にして下さい。