心疾患、記憶力低下を招くトランス脂肪酸含有量ランキング、山崎パン9選
トランス脂肪酸は、心血管疾患といわれる、心臓病や血管の病気のリスクを高める確実な証拠があるとされています(2003年食事、栄養および慢性疾患予防に関するWHO/AO合同専門家会合)。
その中でも、冠動脈性心疾患(狭心症や心筋梗塞)のリスクが高いそうです。
また、2013年11月にアメリカ心臓協会の学術大会発表では、1日1gのトランス脂肪酸を摂取すると、記憶力の低下が起こるという人間での実験結果も発表されました。
こういった研究結果が明らかになることで、トランス脂肪酸の使用量を減らす努力をする企業も増えてきました。
例えば、敷島製パン(Pasco)は、2013年時点では山崎パンよりもたくさんのトランス脂肪酸を使用していましたが、2015年にはほとんどのパンがトランス脂肪酸の含有量を3分の1から10分の1、あるいは使用しない製品になり、情報開示も積極的になりました。
ところが、トランス脂肪酸の低減が遅れている企業もあります。
その代表的な企業が山崎パンです。
ここでは、山崎パンの中でトランス脂肪酸の含有量が多い9つの種類を紹介していきたいと思います。
Contents
トランス脂肪酸とは?
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸と言われる成分です。世界中で問題になっているトランス脂肪酸とは、植物油に水素を添加して作るマーガリンやファットスプレッド、ショートニングに含まれるトランス脂肪酸です。
これらは人工的に作る過程でトランス脂肪酸が含まれる量に大きなばらつきがあり、企業単位で異なります。
100g単位当たりでいうと、0.94gから13g(0.94%から13%)までとかなりのばらつきがあります。
また、動物性の油であるバターにも天然由来のトランス脂肪酸が、100g当たり1.7gから2.2g程度(1.7%から2.2%)含まれていることがわかっています。これは、牛や羊といった反芻動物の胃の中で、微生物によってトランス脂肪酸が作られるためで、牛肉や羊肉、乳製品にも微量ですがトランス脂肪酸は含まれています。
では、人工的に作られたトランス脂肪酸と天然由来のトランス脂肪酸に大きな差異があるかといえば、現状の研究結果ではいずれのトランス脂肪酸も取りすぎると体に有害であることがわかっています。
(VU University Amsterdamのブラウエル博士(Ingeborg A. Brouwer)ら。「トランス脂肪酸は、人工、天然由来ともに同じような害を与える」)
現状でいえることは、人工、天然を問わずトランス脂肪酸の摂取量をなるべく減らしたほうが良いということです。
バターの場合は、トランス脂肪酸の含有量にそれほど際はありませんが、マーガリンのように人工的に作る製品では、トランス脂肪酸の含有量に大きな違いがあります。
マーガリンは、トランス脂肪酸の含有量を調べてから購入したほうが良いと思います。
トランス脂肪酸を1日にどれくらい取るとリスクがあるの?
アメリカでの疫学調査によると、トランス脂肪酸を1日あたり4g(エネルギー比で2%)以上摂取すると、心疾患リスクが1.23倍になるというデータがあります。
ただし、4g以下だからリスクがゼロになるというわけではありません。
また、心疾患以外に新しい研究では、成人男性がトランス脂肪酸を1日あたり1g以上摂取することで記憶力の低下が認められました。
実験は、
<対象>
20歳以上男性694人。
食事に関する聞き取り調査でトランス脂肪酸の摂取量を推定。
<実験内容>
単語カード104枚を被験者に見せる。
同じ単語カードが複数枚あり、初めて出たカードか、すでに出ているかを回答する。
<結果>
・トランス脂肪酸をたくさん摂取する人ほど、テストの正答率が低かった。
・1日1gのトランス脂肪酸が、正解の単語数を0.76語低下させる。
・テストの正解平均数86語。トランス脂肪酸を一番多く摂取するグループは、最小のグループよりも11語正解数が減少した。
(ソース:http://circ.ahajournals.org/content/130/Suppl_2/A15572.short)
このように、トランス脂肪酸1日1gを摂取するだけで記憶力に大きな差が出ることがわかりました。
つまり、1日1gを超えた時点で記憶力が低下するリスクは高まります。
このことを踏まえた上で、トランス脂肪酸含有量ランキングをご覧ください。
山崎パントランス脂肪酸含有量9選(2016年6月版)
下記ページのリンクより、パンや洋菓子などに含まれるトランス脂肪酸含有量を抽出しました。
https://www.yamazakipan.co.jp/company/trans_fat/index2.html
※データは定期的に更新されています。
第1位 1個当たりのトランス脂肪酸含有量 1.1g
ダブルロール(画像: https://www.yamazakipan.co.jp/product/04/index.html)
ミニスナックゴールド(画像: https://www.yamazakipan.co.jp/product/02/index.html)
ダブルロールは、2013年1.0gから0.1gアップ。
ミニスナックゴールドは、2013年1.0gをキープ。
第3位 1個当たりのトランス脂肪酸含有量 1.0g
クリーミーチーズケーキ(画像: http://mognavi.jp/food/1252906)
ずっしりカスタードクリームデニッシュ(画像: http://mognavi.jp/food/360494)
クリーミーチーズケーキは、2013年から1.0gのまま。
ずっしりカスタードクリームデニッシュは、2013年1.1gから0.1g低減。
第5位 1個当たりのトランス脂肪酸含有量 0.9g
ふわふわスフレ(ホイップカスタード)(画像: https://www.yamazakipan.co.jp/product/04/index.html)
ずっしり小倉デニッシュ(画像: http://mognavi.jp/food/184164)
ホワイトデニッシュショコラ(画像: https://www.yamazakipan.co.jp/product/02/index.html)
第8位 1個当たりのトランス脂肪酸含有量 0.8g
大きなチョコチップメロンパン(画像: https://www.yamazakipan.co.jp/product/02/index.html)
まるごとソーセージ(画像: https://www.yamazakipan.co.jp/product/02/index.html)
大きなチョコチップメロンパンは、2013年1.2gから0.4g低減。
今回ご紹介した山崎パン9選は、2016年6月現在で敷島製パンに含まれるトランス脂肪酸0.7gという最大値をいずれも上回る製品です。
1個食べることで、記憶力低下の目安1日当たり1g近くを摂取するすることになります。
山崎パンを食べた体験談
筆者は、高校、大学時代と山崎パンを昼食やおやつとして食べる生活を送っていました。特に、ミニスナックゴールドは、記憶にはっきりと残っているくらい何度も食べていました。
当時を思い出すと、山崎パンを食べた後に口の周りにかゆみが出てきたり、吹き出物が出やすいという、一定のパターンがありました。
とはいえ、それほど厳密に確認していたわけではありませんので、思い込みと言われればそれまでです。
しかし、最近山崎パンを食べてはっきりと反応がでた事例があるのでご紹介します。
著者のセミナー受講者に60代女性Iさんがいます。Iさんは長男家族と同居しており、小学生3年生の孫Kくんがいます。Kくんは、肘やお尻に湿疹が出てかゆみが出るという症状を何年も前から持っていました。
医者で処方されるステロイド系の薬を塗っても、一時的にかゆみを止めるだけで湿疹は収まりませんでした。
そこで、添加物が多いと言われる山崎パンを食べないようにしました。それ以外の食生活はほとんど変えていません。
すると、3ヶ月経過した頃には、湿疹の量が3分の1まで低下して、かゆみも軽減されました。
そんな時、スーパーに行ったIさんは、Kくんから
「このパンが食べたい。」
と言われました。
そのパンは、山崎パンでした。
3ヶ月経過して湿疹も落ち着いてきたから、たまにはいいかなと思い、山崎パンを購入。
そして、帰宅後にKくんが山崎パンを食べたところ・・・
一時間経過すると、Kくんが
「かゆい、かゆい。」
と全身をかきむしって騒いでいます。
まさかと思ってシャツをめくってみると、胸から背中にかけてたくさんの湿疹が出ていました。それは、肘などにも広がっていきました。
その後、薬をぬったりと対応をしましたが、半日以上湿疹とかゆみはおさまらず、次の日になってやっと落ち着き始めたということです。
それ以後、Kくんは山崎パンは絶対に食べなくなったそうです。
親戚のおばさんがパンをくれても
「おばちゃん、だってこれ山崎パンだよ。」
といって、食べないそうです。久しぶりに山崎パンを食べて湿疹が出たことが、よほどショックだったのだと思います。
これは、非常にわかりやすい例ですが、他にも口のかゆみや吹き出物など、食後にそういった反応が決まって出たという人は筆者の周りに数名います。
もちろん、個人差があることですので、一概に山崎パンを食べるとこういった症状が出るというわけではありません。
ただ、実際に山崎パンを食べて反応する人がいますし、もしかしたらこの記事を読んでいる人の中でも、かゆみや湿疹が出ているけど原因がわからないという方がいるかもしれません。
そういった場合は、直前に何を食べたり飲んだりしたかをチェックしてみると、案外予想外のことが原因だと判明することもあります。
まとめ
トランス脂肪酸の摂取量が多い(1日あたり4g)と狭心症や心筋梗塞のリスクが上がることはこれまでのデータからみても間違いありません。もしかしたら、かゆみや湿疹などが出る人もいるかも知れません。
また、新しい研究では、トランス脂肪酸1日あたり1gの摂取で記憶力の低下に影響する可能性が示されています。
今回紹介した山崎パンは、1個あたりに含まれるトランス脂肪酸の含有量が1g前後です。つまり、1個食べるだけで記憶力低下のリスクにさらされるということです。
10代で学校の成績が悪い子の中には、トランス脂肪酸のとりすぎで記憶力が低下している可能性も否定できません。
トランス脂肪酸は、ファーストフードなどの製品にも多く含まれます。山崎パンだけに限らず、一日に摂取するトランス脂肪酸の量に注意することで、心疾患のリスクや記憶力が低下するリスクを低減することができると思います。
子供が食べるチョコ菓子も、パン同様トランス脂肪酸を含んでいるものがあります。
メーカー毎でトランス脂肪酸への取り組み姿勢もことなります。
下記リンクもあわせてご覧ください。