メンタルヘルスで効果をあげるセルフケア7選
精神疾患で医療機関にかかっている患者数は、かなり増加傾向にあります。平成23年は320万人(厚生労働省による)で、300万人を超える高い患者数を維持しています。
精神疾患の患者数が多い順で、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症となっています。
現在、メンタルヘルス対策は国をあげての大きなとり組みとなっています。
この記事では、メンタルヘルスのセルフケアについてご紹介していきます。
自分でメンタルヘルス対策をしたいという方は是非ご覧ください。
Contents
メンタルヘルス4つのケア
厚生労働省の「労働者の心の健康保持増進のための指針」によると、メンタルヘルスには4つのケアがあります。
- 「セルフケア」:私たちが自分自身で行うことのできるケア。働く人が自らのストレスに気付き、予防対処し、また事業者はそれを支援すること。
- 「ラインによるケア」:管理監督者が行うケア。日頃の職場環境の把握と改善、部下の相談対応を行うことなど。
- 「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」:企業の産業医、保健師や人事労務管理スタッフが行うケア。労働者や管理監督者等の支援や、具体的なメンタルヘルス対策の企画立案を行うことなど。
- 「事業場外資源によるケア」:会社以外の専門的な機関や専門家を活用し、 その支援を受けること。
私たち個人が取り組めるメンタルヘルス対策は、1「セルフケア」です。
2「ラインによるケア」、3「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」については、お勤めの職場によって取り組みが異なります。それぞれの職場の総務や人事に問い合わせてみてください。
4「事業場外資源によるケア」については、厚生労働省「こころの耳」http://kokoro.mhlw.go.jp/beginner/をご覧ください。
メンタルヘルスのセルフケア7選
メンタルヘルスに有効とされるセルフケアの方法には、次のような手法があります。
- 今の気持ちを書きだす
- 体を動かす
- 腹式呼吸
- できていることに意識を向ける
- 音楽を聞く、歌う
- 笑う
- 体の状態をチェックする
それぞれについて、詳しく紹介していきます。
今の気持ちを書きだす
心の中でもやもやと悩んいると、なかなか考えがまとまらず、もどかしい気持ちに陥りやすくなります。自分の気持ちを、紙に書きだしてみてください。
紙に書きだすことで、自分の気持ちを一歩離れた距離から見ることができます。それによって、あせりといった気持ちがやわらぎ、落ち着いて考えることができます。
また、実際に書きだすことで違った考えが浮かんで心が楽になることもあります。
文章を書くことが苦手であれば、イラストや漫画といった絵でも構いません。人に見せるわけではありませんから、落書きや意味のないものでも大丈夫です。自分の中から外に表現するようにします。
体を動かす
現代生活では、体を動かす機会がとても減ってしまいました。体を適度に動かすことは、ストレスを発散したり、心や体をリラックスさせる、睡眠のリズムが整うといった効果が知られています。
もし、日頃運動する機会がほとんどないのであれば、散歩から始めることをお勧めします。
効果的と言われているのは、有酸素運動です。軽いランニング、サイクリング、ダンス、スポーツを20分以上行うと有酸素運動となります。
運動をいきなりたくさん行うと、体を故障したり、疲労が溜まりすぎてしまいますので、あまり無理をしないで軽く汗をかく程度で取り組んでください。
腹式呼吸
不安感や緊張が強くなってくると、呼吸は浅くなってしまい息があがってきます。
汗も出てきて、呼吸は無意識のうちに早くなります。
そういった場合は、意識的に腹式呼吸をして呼吸をゆっくりと深く行うようにしてください。
<やり方>
- 椅子に座って、できるだけ背筋を伸ばします。
- お腹に手を当てます。
- 軽く手でお腹をおすようにしながら、口から息を吐いていきます。お腹をへこませ完全に息を吐ききります。
- 鼻から息を吸います。息を吸いながらお腹を膨らませていきます。
- 3と4の手順を5~10分程度繰り返します。
※お腹をへこませる、膨らませることに意識を向けます。他の雑念が浮かんできても気にせず、お腹の動きに集中して行います。
できていることに意識を向ける
気持ちが落ち込んでくると、できないことや問題にばかり意識が向いてしまいます。そこで、自分ができていることに意識を向けてください。
できればそれを書きだします。紙に書きだしてもいいですし、パソコンやスマートフォンのメモ帳に書きだしてもかまいません。できていることを確認することで、自分に対する否定的な気持ちがやわらいでいきます。
できていることに意識を向けた後、余裕があれば「なりたい自分」を想像してみることもお勧めです。
「なりたい自分」になることで、自分はどんなことができるようになっているか、周囲の評価はどうなっていくかを想像してみて下さい。
そして、「なりたい自分」になるために、どんな取り組みが必要かを考えます。最初の取り組みを考えて実際に行動してみてください。
目標が達成できたら自分をほめて、認めてあげましょう。これを繰り返すことで、自信を取り戻していくきっかけになります。
音楽を聞く、歌う
音楽は、人の心を自然と癒してくれます。
音楽は、テンポやリズムによって人に与える影響が異なります。ゆっくりとした優しい音楽は、不安や緊張をゆるめる効果があります。
テンポが速いアップテンポの音楽は、エネルギーや活力を与えてくれます。
自分のその時の感情にあった音楽を選んで聞いてください。
他のことをしながらではなく、音楽を聞くことに集中すると効果的です。
もし、歌うことが好きなのであれば、カラオケボックスなどで歌うこともお勧めです。
歌うことでストレスの発散や、歌うことに集中することで不安やストレスも軽減されます。
笑う
「笑う」ことは、気持ちを明るく軽くしてくれます。また、緊張した気持ちを緩和してくれます。動物が好きな方は、動物と触れ合うことで自然と笑いが出やすくなります。
笑うことで免疫力が上がるといったことが、研究で明らかになっています。
友人や家族と話して笑うこともお勧めです。
その他、お笑い番組や漫画、アニメを見て笑うのも一つの方法です。
是非日常生活で笑うことを意識してみてください。
体の状態をチェックする
精神的な問題は、ストレスによって引き起こされると考えられています。しかし、体温が低下していたり、血流の流れが悪いといった肉体的な不調が起こることで、ストレス耐性が低下することもあります。
ですから、体の不調をチェックして現状を把握することも効果的です。
体の不調をチェックする方法として、東洋医学のツボがとても役に立ちます。
代表的なツボをご紹介します。実際に触ってみて、痛みやコリがある場合はその部位をさすったり温めるなどして、ほぐすようにしてください。
<肩こりのツボ>
曲池:肘を曲げたときにできる肘のしわの外側の端にあるツボ。
<首こりのツボ>
肘外側の溝:肘を曲げたときに、肘の突起より親指側に出るくぼみ。場所を確認した後に、肘を軽く伸ばして、その場所にある筋を押すと痛みが出やすい。
<肩甲骨内側の張りのツボ>
少海:肘を曲げたときにできる肘のしわの内側の端から少し手首に向かった辺り。
<腰痛のツボ>
委中:膝の裏中央部。
<冷え性のツボ>
承山:ふくらはぎの中央、膝の裏とくるぶしの中間。アキレス腱中央から膝裏に向かって押し上げたときに引っかかる部位。
今回ご紹介したツボは、体の不調をある程度把握するための代表的なツボです。肩こりなどの理解しやすい症状例をご紹介しましたが、絶対的なものではありません。
まとめ
メンタルヘルス対策の中で、自分で取り組めるものはセルフケアです。
今回ご紹介した代表的な7つの方法を是非試してください。
特に、精神的な問題だからとメンタルの対策だけに目を向けるのではなく、肉体を動かす、感情を発散させるなど体を使うことも意識してください。特に、体の不調を自分で調べることは、毎日の健康状態を把握する上で重要です。
是非ご活用ください。
体の不調を調べる方法はほかにもたくさんあります。インターネットで体のツボを調べると、たくさんのツボがあります。また、体の不調を改善する方法もインターネット検索で出てきます。
ご興味があればチェックしてください。
ちなみに、体の不調を調べて、改善する方法が一緒に学べる講座を行っています。
よろしければ、下記のサイトもご覧ください。