冬の脳梗塞を防ぐ、今すぐできるヒートショック対処法
冬になるとヒートショックと言われる温度差が原因で、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、失神がおきやすくなります。
この記事では、冬のヒートショックを防ぐために今すぐできる対処法をご紹介していきます。
高齢者が家庭内で死亡する原因の25%がヒートショックです。是非対策をしてください。
Contents
そもそもヒートショックとは?
ヒートショックとは、家の中で急激に温度が変化することで起こる体の問題です。温度が突然10℃変わると、血圧は大きく変動します。血圧の大きな変化によって、血管壁の血栓がはがれて脳に達すると脳梗塞、心臓ですと心筋梗塞といった症状につながる危険性があります。
そこまでいかなくても、失神することがあります。
失神した場所がお風呂の湯舟の中であれば、そのまま溺死してしまう危険があります。これが非常に多く発生しています。
年間のヒートショックによる死亡者数は、東京都健康長寿医療センター研究所によると17000人(2011年)、その中で高齢者は14000人を占めています。
家庭内で死亡する高齢者の4分の1が、ヒートショック死であると言われています。
特に、12月から1月にかけてはヒートショック発生のピークとなります。
是非、対策をしてください。
ヒートショック対処法
ヒートショックが家庭内で発生する場面は、お風呂やトイレ、寝起きといった場面です。それぞれの対処法についてご紹介していきます。
お風呂での工夫
ヒートショック死のほとんどが入浴中の急死です。もちろんお風呂に入って体を温めることは良いことですが、お風呂に入る前の段階で注意が必要です。
例えば、
- 入浴時間を早める
- 食事前後と飲酒後をさける
- 服を脱ぐ場所を温める
- お風呂を温めておく
- かけ湯
- お湯の温度
個別に説明していきましょう。
入浴時間を早める
冬の寒い時期は、お風呂に入る時間を日が暮れる18時くらいに早めましょう。夜になると気温は低下するため、ヒートショックが起こりやすくなります。
食事前後と飲酒後をさける
食事をすると、血圧が上がります。その状態でお風呂に入ると、いつもより血圧が上がりやすくなりリスクがあがります。食事の前後1時間をさけて入浴をしてください。また、飲酒していると血圧は高いので、酔いがさめてからお風呂に入るようにしましょう。
手足の指をもんでからお風呂に入る
お風呂に入る前は血流が悪くなっています。手足の指を入浴前にもんでおくことで、血流の流れを促す効果があり、ヒートショック予防となります。
指のもみ方は下記をご覧ください。
脱衣所を温める
お風呂に入る前の脱衣所は、服を脱ぐため最も温度差が出やすい場所です。予め脱衣所を温めておきましょう。もし、脱衣所を温めることが難しければ、浴室内で下着などを脱ぐようにしましょう。浴室内で脱ぐ場合は、椅子などに座って安定した状態で衣類を脱いでくださいね。
お風呂を温めておく
入浴前に湯舟の蓋を外して、蒸気を浴室に充満させるようにしておきましょう。浴室暖房がある場合、暖房で浴室の温度をあげておきましょう。
かけ湯
湯舟にいきなり入るのではなく、まず足元にお湯をかけておきましょう。そうすることで、これから入るお湯に体が慣れやすくなります。お湯は心臓から遠い場所にかけるようにしてください。突然の血圧上昇を防いでくれます。
お湯の温度
お湯が熱すぎるとヒートショックになりやすくなりますので、お湯の温度は42度程度にしておきましょう。体温に近い温度で入浴ししてからお湯の温度を上げていくのであれば、ヒートショックは起こらず体はお湯の温度に慣れていきますので安心です。
トイレでの工夫
ヒートショックは、お風呂で発生することが多いのですが、次に発生しやすいのはトイレです。トイレもお風呂のように服を脱ぎますので、ヒートショックのリスクはあがります。
例えば、
- トイレを温める
- トイレの便座にカバーを付ける
- 首に何かを巻いておく
トイレを温める
お風呂と同様、トイレでは服を脱ぎますから寒さ対策としてトイレを温めておくことをお勧めします。
トイレの便座にカバーを付ける
洋式トイレの場合、便座に座る時に最も寒さを感じます。ですから、便座にカバーをつけて寒さ対策することをお勧めします。
首に一枚巻いておく
トイレでは下半身を出すことになり、体温が低下しやすくなります。窓のあるトイレであれば隙間風もあり寒くなります。首にマフラーやネックウォーマーをつけると、服を一枚重ね着した体温になりますのでお勧めです。
寝る時の工夫
布団やベッドで眠るときもお風呂ほどではありませんが、温度差を感じる場面があります。
快適な睡眠のために工夫することをお勧めします。
具体的には、
- 布団を温める
- 首に一枚巻いて眠る
- 起床時間に部屋を暖める
布団を温める
布団に最初に入る瞬間を寒く感じている方は多いと思います。
そこで、寝る前にお布団を温めておくことをお勧めします。
湯たんぽや布団乾燥機で温める、無ければドライヤーでも効果があります。
中の毛布に寝る前にくるまって暖かくなってから寝るのも一つの方法です。
電気毛布は便利ですが、体の乾燥を促進してしまい風邪になりやすくなりますので、寝る前に使ったとしても寝る時にはスイッチを切るようにしましょう。
また、体質的に電気毛布が合わない人も一定数いますので、取り扱いには注意しましょう。
首に一枚巻いて眠る
寝ている時に最も冷えやすい場所は、首まわりです。襟付きの服で寝ていても、布団と襟の間から冬の冷気が入ってきます。そこで、首にネックウォーマーをつけて寝るようにしてください。そうすることで、首が温まり免疫力の低下を防いでくれます。
起床時間に部屋を暖める
朝起きる時に、部屋が寒いと布団から出たときにヒートショックになってしまいます。そこで、起床時間の10分前くらいにエアコンなどで部屋を暖めるようにしましょう。
もし、タイマー設定が難しい場合は、布団の中から出る前に軽く体を動かしてストレッチなどを行ってください。これでヒートショックを和らげることができます。もちろん、手の指をもむといった方法も効果的です。
まとめ
ヒートショックは、冬場に集中しています。ヒートショックが起こるタイミングは、お風呂とトイレ、起床する時といった状況であることがわかっています。
なるべく温度差を体が感じないように、部屋の温度を上げる工夫や首にネックウォーマーをつけたり、手足の指をもむといった方法で血圧が急に変動しないように予防してください。
そうすることで、ヒートショックによる脳梗塞や心筋梗塞、失神のリスクを軽減することができます。
この記事の内容を一つでも実践してヒートショック予防をしてくださいね。