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実験でわかった!?ファブリーズ殺菌成分が妊婦の流産や幼児へ与える悪影響

 2016/09/19 健康・病気 生活
この記事は約 9 分で読めます。 3,718 Views

「ファブリーズで洗おう」

そんなキャッチコピーのCMで大人気のファブリーズ。

 

簡単には洗えない製品の臭いが取れるので、使われている方も多いと思います。

ところが、この製品に含まれる除菌成分でいくつか気になる実験結果が報告されています。

 

また、データは整っていませんが、犬や猫の肝臓疾患で獣医さんにいくと、布用消臭スプレーの使用を控えるように指摘されたという話も耳にするようになりました。

ファブリーズの製造元であるP&Gでは、除菌成分としてQUATと表記されているだけで具体的成分を明らかにしていません。安全性について実験を行っていると書かれていますが、成分を明らかにしないまま、自社での実験では安全だと言われて納得できない人もいると思います。

 

そこで、P&G以外で行われている実験結果を元に、4級アンモニウム塩の安全性についてまとめてみました。

 

不妊症で悩んでいる方や妊婦、お子さんをお持ちの方には是非ご覧いただきたい内容です。

 

第四級アンモニウム塩とは?

第四級アンモニウム塩とは、分子式NR4+という構造をもった多原子イオンの総称です。例えば、映画でいうとSFやドキュメンタリーといったカテゴリのようなものです。成分は何種類もあり性質も異なりますが、主に消毒薬、界面活性剤、柔軟剤、シャンプーなどの帯電防止剤に使われています。

 

ファブリーズの場合は、抗菌剤として使用される4級アンモニウム塩が2種類使われているとされていますが、成分や配合割合は企業秘密です。

実験でマウスに起こったこと

ここでは、国内の東京都健康安全研究センターで行われた2回の実験結果と海外雑誌「NATURE」に掲載された内容やその後の実験をご紹介します。

 

国内実験でわかった赤ちゃんマウス死亡率の上昇と体内異常

実験では製品名を隠して表現していますが、明らかにファブリーズの安全性実験をしています。

この実験を行う目的として

厚生労働省が毒物、劇物の使用基準を規制しているし、ファブリーズもその規制対象だけど、そもそも一般の人がファブリーズに書いてある安全な使用方法や容量守ってるか、はっきりいってわかんないよね。だから、どれくらいで危険かをこっちで調べてみるね。

といったことを掲げています(かなり話をかみ砕いています)。

実験は1回目2006年、2回目2010年に行われました。

1回目では、生後間もない赤ちゃんマウスに2mg/kg(体重1キロにつき2mg相当)のファブリーズ成分を飲ませると死亡率があがることがわかりました。

 

2回目では、P&Gが教えてくれなかったファブリーズに使われているQUAT(4級アンモニウム塩)の二種類の成分を突き止めて、赤ちゃんマウスと大人のマウスにその原液を飲ませたところ、

赤ちゃんマウスは、1.25mg/kgでオスとメスともに死亡率が35%程度増加、生き残った赤ちゃんマウスも肝臓重量の低下、乳酸量の低下と血糖上昇、萎縮性の肝機能障害が確認されました。メスの場合は、さらに卵巣への影響も確認されました。

大人のマウスは、2.5mg/kgで尿酸値の低下、血糖値の上昇が確認されました。

 

引用した文献の内容は下記のとおり。

「消臭およびハウスダスト除去を目的とした、噴霧型家庭用品の安全性試験」

ファブリーズのトウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)の原液を、数種類の濃度に分けて新生仔(生後すぐの赤ちゃん)マウスに飲ませる実験をしたところ、1日2mg/kg(1kgの 体重当たり、2㎎)の投与で、雄は27匹中5匹死亡(生後1-10日)、雌は29匹中6匹(生後1-10日)が死亡した。

また、体重増加が抑制されたり、臓器(肝臓、腎臓および脾臓)重量の低下、血中コレステロール値の上昇がみられた。

東京都健康安全研究センター研究年報 第57号(2006)和文要旨
(下記ページの一番下にpdfへのリンクあり)
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/journal/2006/abs-5.html

東京都健康安全研究センター研究年報 第57号 2006
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/journal/2006/pdf/57-65.pdf

 

「市販家庭用消臭除菌剤に配合される4級アンモニウム化合物のマウス新生仔および成獣における一般毒性指標に及ぼす影響」

2006年の実験後、ファブリーズに使われている抗菌剤(QUAT)を突き止めて、マウスに経口投与した。新生仔は1.25mg/kg以上の連続経口投与で死亡率が増加(メス28匹中10匹死亡36%、オスは2.5mg/kg以上で38%死亡)した。

生後21日目には、雄雌ともに肝臓重量の低下、乳酸量の低下と血糖上昇、萎縮性の肝機能障害が示唆された。また、雌の新生仔の卵巣実重量の低下から性成熟の遅れが示唆された。

成獣の場合は、2.5mg/kgで尿酸値の低下、血糖値の上昇がみられた。

東京都健康安全研究センター研究年報 第61号 別刷 2010
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/journal/2010/pdf/01-45.pdf

 

海外で指摘された流産率の上昇

この記事は、雑誌「NATURE」に掲載されたもので、いくつかの実験をしている中で偶然起こった問題ということで4級アンモニウム塩の問題について書かれています。

また、同じように4級アンモニウム塩を使用して、マウスの生殖異常を確認した研究者と共同研究を行い、流産率の増加や精子異常などが起こることまで突き止めています。

 

研究施設の消毒剤で、マウスの出産率が低下した話

この話は、家や会社、病院などで広く一般的に使われている2つの化合物によって、マウスの出産率が低下したお話です。

これは、本当に偶然の出来事が重なった結果です。私は、マウスの生殖について研究をしています。

最初にこの異常に気づいたのは、実験用マウスを別の施設に移動したときです。
新しい施設では、殺菌効果のあるvirexという製品を使用していました。

新しい施設でマウスの交配を行ったところ、メスの10%しか妊娠をせず、しかも妊娠後期には多くの胎児が死亡しました。また、発達異常(生育が早すぎる、遅すぎる)もありました。マウスでこのような事態が起こることは滅多にありません。

※注釈:マウスが実験に使われる理由は、繁殖が容易で個体差が少なく、実験データがとりやすいことが大きな理由です。通常マウスの出産率は60%程度

 

このような先天性欠損は、私の研究生活過去13年間の事例でみたことがない量でしたが、新しい施設で実験を始めたところ、わずか数か月でたくさん確認できました。

この原因を特定するために様々な可能性を考えた結果、実験用マウスを入れている箱が汚染されている可能性を突き止めました。

箱を洗浄するために使用しているvirex製消毒液には、4級アンモニウム塩が含まれていました。この4級アンモニウム塩は環境に蓄積する性質があり、簡単に取り除くことができず、使用を中止したあと何か月もかかってやっと取り除くことができました

消毒液は、二酸化塩素のclidox製品をかわりに使用しました。

 

他の実験者で同じような問題が起こっていないかを調べましたが、私たちが使用している箱の企画と異なるもので条件も異なるため、参考になりませんでした。

 

ただ、私が移籍した大学のパルマン地域にあるマウス繁殖施設を管理しているマネージャーは、すでに4級アンモニウム塩がマウスの繁殖活動に悪影響があることを知っており、施設から4級アンモニウム塩を排除していました

4級アンモニウム塩は、臭いもなく、使われた痕跡も残しませんが、現在あらゆる場所で使用されています。

私たちの実験結果から考えると、卵巣や子宮、そして授乳に悪影響があると考えられます。4級アンモニウム塩は、細胞膜に作用してすべてを破壊してしまう顕著な効果があります。

これらの影響は人間の健康と繁殖に対してとても強くて、潜在的な悪影響を及ぼすと考えられます。ただし、私が研究対象とする減数分裂に関する部分ではないため、実験を継続する理由はなく、他の研究者の結果を見守りたいと思います(といいながら、後に出てくる博士と共同実験しています)。

※この記事に対して、4級アンモニウム塩を含むvirex製品を販売するJohnson Diverseyの広報担当者から
「アメリカ環境保護庁のレビューでは、4級アンモニウム塩を含んだ化合物による繁殖への影響は指摘されていない。」
として、異議が唱えられています。今後も4級アンモニウム塩の安全性については、研究を監視していきます。

ワシントン州立大学パトリシア・ハント博士
NATURE 2008年6月18日
http://www.nature.com/news/2008/180608/full/453964a.html

テリー・フルベック博士の研究室でも、マウスに触る前に4級アンモニウム塩の抗菌剤で手を消毒したことが原因で、マウスに生殖異常が発生していたことを確認。

バージニア-メリーランド大学獣医学部 テリー・フルベック博士

http://www.vtnews.vt.edu/articles/2014/08/081414-vetmed-disinfectants.html

2014年ハント博士とフルベック博士が共同で、4級アンモニウム塩の毒性を調査したところ、マウスの生殖異常が同じように発生

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0890623814001920

さらに2015年の共同実験では、オスのマウスの精子異常が起こることも確認

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0890623815300319

ただし、これらの実験結果でわかっているのは、4級アンモニウム塩でマウスに異常が起こることはわかったけど、人間はまだわからないという状態です。

 

まとめ

国内外の実験結果を見ると、ファブリーズで使われている抗菌成分QUAT(4級アンモニウム塩)の量が増えると、マウスに影響が出ていることがわかります。

特に、赤ちゃんマウスと妊娠しているメスに影響が大きいことがわかりますし、若いオスの場合は精子異常が心配です。

 

では、これが人間にそのまま当てはまるのか?

と言われると、まだはっきりとしたデータはありません。

 

ここから先は、あなたの考え方次第です。

例えば、不妊症に悩んでいるのであれば、流産の原因となるものは身の周りから排除したほうが良いでしょう。

また、赤ちゃんがいるご家庭でファブリーズのようにQUATを含んだ製品を使用することは、あまりお勧めできることではありません。

特に、車のエアコンなどに取り付けて空気中に抗菌成分を充満させる方法はリスクが高いと言わざるを得ないと思います。

最近は、ファブリーズタクシーも走っているようですので、タクシーを利用する際も気をつけたいものです。

 

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ライター紹介 ライター一覧

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有限会社木村爽健代表。
小学生の頃からひどいアレルギー性鼻炎に悩まされ、耳鼻科に通うが全く改善しない。中学2年の時に東洋医学の健康法を実践して、自力でアレルギー性鼻炎を克服。以後、東洋医学や気功といった治療法を継続して学ぶ。
京都大学大学院農業研究科修了。
株式会社アクセンチュアITコンサルタントを経て、現職代表。
資格:鍼灸あん摩マッサージ指圧師

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